大分県の教員採用試験で、多くの若い人たちの人生を左右する事件が報じられ、言いようのない気持ちとなっています。
思い出したのが、2003年12月のニュースで報じられた流山市の職員の採用試験における、401点満点の1次筆記試験で市内在住者に一律120点を加点してパスさせた、というものでした(パスしたのは市内在住者のみ)。金品は動いていないようですが、多くの若い人たちの人生を左右したことには変わりありません。総務省公務員課は「地方公務員法上、不適正な処置だ」としていますが、当然です。
眉山俊光市長時代のことで、井崎義治市長が調査委員会を発足させ、2004年3月に「特定の受験者を採用する意図で、選考基準が策定された疑いがある」との結果が公表されましたが、それに対する処置は聴こえてきませんでした。そして「流山市職員採用試験における疑惑の解明を求める会」が、当時の眉山俊光市長と岡本忠也助役を地方公務員法第15条(平等取り扱い原則)違反の疑いで流山署に告発し、受理されました。
流山市で公表された内容は2002年のものに留まり、それ以前に遡っての調査結果は聴こえてきませんでした。しかし、「それ以前の採用試験では問題なかった」と発表されなかったことが、逆に私の疑念を強くさせることになりました。ゲタを履かせるような旧い体質の考えは一時的におきたとは考えにくいですし、ゲタを履いて職員となったものを免職とするには勇気(大分県では点数操作で教員となった人物を免職にすると発表)が必要なばかりでなく、それが市職員の相当数に及ぶとしたら市行政がストップしますので実行不可能なことです。そうなると、仮に同様のことが過去に行なわれていたことが判明したとしても「公表は差し控えよう」という意思が働いたとしても不思議はありません。
眉山俊光氏は1980年から流山市の教育長を務め、その後、市長となった人物ですが、大分県の事件から「教育にたずさわる人物の倫理観はどうなっているのだろう」と考えさせられています。
市内在住者だけ点数上乗せ(2003/12/05 02:34 【共同通信】)
http://www.47news.jp/CN/200312/CN2003120501000157.html
posted by M. Ichikawa at 15:19|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
記事